私たちに必要なのは、「未来のあるべき姿」から解決策を見つける思考法「バックキャスティング」


SDGs指標や幸福度で国際指標の上位に入る北欧諸国は、どのような社会をつくるかを市民も参加して徹底的に議論を行い、そこで決まったビジョンについてバックキャスティングで政策を実施してきた。だから「どうせ何も変わらない」と思っている人は少数派だ。政治家や企業が説明責任を果たさないことや透明性の低さを許さない社会がそれを成り立たせてきたのだろう。日本では、逆に大きな企業や政治の行動について「お上がやることにだから」となってしまうことが多かった。

では、バックキャスティングがなぜSDGsに適しているのか。

現在から未来を考えるのではなく、「未来のあるべき姿」から「未来を起点」に解決策を見つける思考法のバックキャスティングがなぜSDGs達成に適しているのか。
それは、課題が複雑に絡み合って、正解がない、いいかえれば「やっかいな」課題がSDGsには多いから。現在の課題をベースに改善や変革を模索しても、しがらみや現在の常識にとらわれて途中で行き詰まってしまうことが多い。また、課題解決が新しい課題を生み出すこともある。
これに引き換え、
バックキャスティングで思考することで、将来の「こうありたい」をベースに、何が足りない、何をしたらいいを考えるので、新しい発想が生まれやすく、選択肢に制限がないので広がりのある対応や対策を生み出しやすい。そもそも将来の夢を語るところから始めるバックキャスティングは前向きな思考法だ。
今進めようとしている政策が、目指す将来のあるべき姿につながっているのか?バックキャスティングで見直してみることが大事だと思う。

現在から未来を考えるのではなく、「未来のあるべき姿」(未来を起点)から解決策を見つける思考法
バックキャスティングのメリットまとめ

●具体策や正解がすぐにはわからないものの解決に適している。
(SDGs達成のようなものに有効)
●飛躍的なアイディア。これまでになかった新しい発想が生まれやすい。
(ゴールから発想することで既存のしがらみにとらわれにくい)
●選択肢に制限がなくなる。
(選択肢が多いことが変化や変革の重要ファクター)
●目先の利害関係を超えたパートナーシップも築くことができる。
(新しい関係性や協働を見つけ出しやすい)

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